デニムって何?
デニムって何?
デニムは綿の厚地織布の一種。
デニム(デニム生地)は、10番手以上のタテ糸をインディゴによって染色し、ヨコ糸を未晒し糸(染色加工をしていない糸)で綾織り(あやおり)にした、素材が綿の厚地織布のことです。
図1は、デニム生地の拡大図です。
10番手以上のタテ糸をインディゴによって染色し、ヨコ糸を未晒し糸(染色加工をしていない糸)で綾織り(あやおり)しています。
タテ糸がインディゴに染色されているから、織ったデニム(デニム生地)は色がついているんだ。
番手って何?
番手とは糸の太さを表す単位です。
番手は素材によって糸の太さを表す番手の数字が異なります。同じ番手の数字でも毛や綿、麻によって太さが異なります。
例えば、麻で綿番手『10』と同じ太さのものは『1488.2』となるんだ。
素材名 | 番手 |
---|---|
綿番手 | 10.0 |
麻番手 | 1488.2 |
毛番手 | 17.0 |
綿番手『10』と麻番手『1488.2』、毛番手『17』は、全て同じ太さの糸です。
同じ太さでも素材ごとに番手の数字が異なるから注意が必要だよ。
デニムのほとんどは綿素材なので、デニムで番手が出てきたら綿番手と思って良いでしょう。
同じ太さでも素材ごとに番手の数字が異なりますが、共通点もあります。
どの素材でも1番手が一番太いです。番手の数字が大きくなればなるほど糸が細くなります。
1番手が一番太い糸で、番手の数字が大きくなるにつれて糸は細くなっていきます。
番手は1番手は糸が一番太く、番手の数字が大きくなるにつれて細くなると説明しましたが、生地の質感も番手の数字によって変わっていきます。
番手の数字が大きくなると糸が細くなりますが、糸が細ければ細いほど滑らかになり触り心地が良くなります。
番手の数字が大きいものは細番手(高番手)と呼ばれます。良い生地という意味合いで『番手が良い』と言われるんだよ。
番手の数字が大きくなるほど生地の質感がよく、高価になります。細番手(高番手)は質感が良いけれど繊細だったりシワがつきやすいという特徴もあります。
番手の数字が大きくなりすぎると繊細でシワになりやすいのため普段着としては適さないこともあります。
普段使いのYシャツは綿番手『80』の糸でつくられたものが多いよ。
番手 | 値段 | シワ | 生地の特徴 | 生地の質感 |
---|---|---|---|---|
太番手 (低番手) | 値段が安い | シワがつきにくい | 厚くて丈夫 | しっかりした着心地 |
細番手 (高番手) | 値段が高い | シワがつきやすい | 薄くて繊細 | 肌触りがよく着心地が良い |
デニムの生地は10番手以上の糸で織られていることが多いです。しかし商品の特徴を説明する時は糸の太さの番手ではなく重さで表現します。
デニムは糸の太さよりは重さを重視します。デニムのパンツ商品説明で『◎◎オンス(oz)』と記載されているのもそのためです。
インディゴって何?
デニム生地はインディゴで染められた糸で作られています。
インディゴは青色の染料のことです。はじめは天然の染料を使い色を出していました。
天然の染料で染めたものを『藍染め』と言うんだ。
『藍染め』された糸がデニムに使われたのは、この2つの特徴からです。
- 摩擦に弱い
- 水で色落ちしやすい
『藍染め』の摩擦に弱く、水で色落ちしやすい特徴がデニムに独自の色合いを出しました。
天然染料の『藍染め』は高価で染めるのが簡単でないことから、次第に化学染料の『インディゴ染め』が主流になったんだ。
インディゴは青色の染料で2つのインディゴ染色の種別があります。
『藍染め』と『インディゴ染め』です。
種別 | 特徴 |
---|---|
藍染め | 天然染料でのインディゴ染色 |
インディゴ染め | 化学染料でのインディゴ染色 |
はじめは『藍染め』された糸でデニムを作っていました。今は安価でできる『インディゴ染め』の糸が使われるようになりました。
化学染料で染めた『インディゴ染め』には、天然染料で『藍染め』にない特徴があります。
化学染料は不純物も少ないため、純度が高く濃い藍色(青色)を出せます。その色をピュアインディゴと呼ぶよ。
種別 | 染料の種類 | 原材料 | 原材料(写真) | 特徴 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|
藍染め | 天然染料 | 植物のタデアイ(蓼藍)(タデ科の植物で、葉や茎に含まれる成分) | とても深みのある色合い 長年たっても色落ちが少ない | 高価 | |
インディゴ染め | 化学染料 | 化学合成した青色の結晶固体のインディゴ | 純度が高く濃い藍色 安定した品質で大量生産が可能 | 安価 |
綾織り(あやおり)って何?
糸を使い織って生地を作ります。平織り(ひらおり)、繻子織り(しゅすおり)などの織り方があります。
デニムはいくつかの織り方の中の一つである綾織り(あやおり)(英語ではツイル)でつくられています。綾織り(あやおり)は別の呼び方では斜文織り(しゃもんおり)とも言います。このサイトでは綾織り(あやおり)と呼びます。
綾織り(あやおり)は、タテ糸が2本もしく3本のヨコ糸の上を通過した後、1本のヨコ糸の下を通過することを繰り返して織ったものです。
デニム生地は、タテ糸がインディゴに染色された綾織り(あやおり)の生地です。
上の写真は実際のデニム生地を拡大したものです。タテ糸はインディゴ、ヨコ糸は白です。
写真を遠くから見ると白部分が右上がりに見えます。これは右綾(みぎあや)のデニムの生地です。
一般的にデニム生地は右綾(みぎあや)で作られています。
綾織の種類 | 生地の質感 | 生地の特徴 | 色落ち |
---|---|---|---|
右綾 (みぎあや) | ざっくりとした生地感 | 生地が馴染みやすい | 『点落ち』と呼ばれる色落ち |
左綾 (ひだりあや) | 光沢感やソフト感 | 生地が馴染みにくい | 『線落ち』呼ばれる色落ち |